18th Vintage Art Exhibition
2024.9.14 – 10.14 / 10.5 – 11.4
壁に絵や版画のフレームをひとつかけるだけで、空間の印象はがらりと変わります。
手軽に試してみるなら、ヴィンテージポスターがオススメ。
inZONEで取り扱っているヴィンテージポスターの販売元、Eureka(エウレカ)の本間隆志さんにその魅力を教えてもらいました。
ヴィンテージポスターとは?
ヴィンテージポスターとは、1900年代のファッション誌を飾ったアドバタイジング(広告)ページを額装したものです。当時はコンピュータがないので、リトグラフのように色ごとに版をつくって印刷しているため色がキレイ。微妙な版ズレがあったりして、レトロであたたかい雰囲気が魅力です。
ルイ・ヴィトンやシャネルなど、さまざまなハイブランドのポスターがありますが、なかでも人気のあるのはルネ・グリュオーというアーティストが手掛けたディオールのポスターです。グリュオーは商品を直接描かず、ノーブルなイラストでブランドの世界感を伝えました。
昔はイラストレーターとアーティストの垣根がなかったせいか、ジャンコクトーや藤田嗣治、シャガールやダリが手掛けた広告もあるんです。リトグラフ感覚で壁に飾ることができますよ。
古くて新しい美しさが魅力
私は長年、ファインアートの分野で美術展のコーディネートに携わってきました。ヴィンテージやアンティークには全く興味がなかったんです。でも、フランスでたまたま昔の希少な雑誌を手にして、その美しさに目を見張りました。古くさいというより、むしろ新しい。これを額装したら、素敵なインテリアになるのではないかと思ったのが始まりです。
たとえばファッション誌「VOGUE」はアメリカ版もフランス版もありますが、同じ年代のものでもアメリカ版は商品の写真が多く表現がストレート。一方、フランス版はアートの国らしく洗練されていて遊び心があります。
オートクチュールからプレタポルテへ移り変わっていく時代のものが多いのですが、いずれもそのうちなくなってしまう希少なものばかりです。
ヴィンテージポスターの上手な飾り方
インテリアに合う絵を選ぶのではなくて、自分の好きな絵に合わせて、インテリアを揃えるという考え方があってもいいと思うんです。たとえば自分の好きな絵をかけて、その中の色をカーテンに取り入れる。フレームの形をどこかにリンクさせる。そういうさりげないのがいいかな。
インテリアにマッチする絵、という観点で選ぶと、飽きるのもはやいように思います。完璧なコーディネートは息がつまるし、テイストが統一されすぎると逆につまらない。多少ばらつきがあっても、好きなものを集めると、居心地のいい空間になるはずです。
お気に入りの1枚を選ぶには?
当たり前だけど、自分が「好き」と感じたものを飾ればいいと思います。inZONEで年2回ほど行うヴィンテージポスターの展示販売会では60枚くらい用意しますが、すぐに売れてしまい、追加で送ることもあるほどです。
ほかに赤坂蚤の市、大江戸骨董市、青山のアンティークマーケットなど、さまざまな催事へ出店したり、オンラインショップで通販もしています。はじめは当時のファッション誌を購読していた世代の方に喜んでもらえるのでは、と思ったのですが、実際は若い世代の女性が「おしゃれでかわいい」と買ってくれているようです。ファッションは生き方を表現していますから、世代や時代を超えて共感するものがあるのだと思います。